支援機構の構成団体&関連リンク先
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『阪神・淡路まちづくり支援機構』のブログ 掲載内容の大分類
阪神・淡路まちづくり支援機構の連絡先
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1 どんな団体なのでしょうか

 平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で,約20万棟を越える建物が全半壊・全半焼しました。阪神・淡路まちづくり支援機構は,この阪神・淡路大震災による被災地における市民のまちづくりを支援するために設立された団体です。

 まちづくりの主体となるのは,あくまでも当該地域の市民にほかなりません。しかし,まちづくりは,土地,建物という不動産にかかわることであり,法律問題一般の他,登記,測量,税務,不動産の評価,設計という多くの専門知識が必要になります。これは,単一の専門家では対応できるものではなく,このようなニーズに十分応えるためには,弁護士,司法書士,土地家屋調査士,税理士,不動産鑑定士,建築士という専門家の連携が必要となります。そこで,支援機構は,専門家が垣根を越えてワンパックで,被災地の市民のまちづくりを支援するために設立したものです。

 このように,支援機構は,上記の専門家である6職種・9団体が連携して被災地の市民のまちづくりを支援できるようにするとともに,日本建築学会,都市住宅学会の協力を得て,平成8年9月4日に設立されました。
 支援機構は個人の組織した団体ではなく,専門家団体が組織した,我が国で初めての横断的NPOです。
 構成団体は以下のとおりです(平成27年1月1日現在)。

  大阪弁護士会  兵庫県弁護士会  近畿税理士会  近畿司法書士会連合会
  土地家屋調査士会近畿ブロック協議会
  公益社団法人日本不動産鑑定協会近畿地域連絡協議会
  公益社団法人日本建築家協会近畿支部 近畿建築士会協議会
  建築士事務所協会近畿ブロック協議会 公益社団法人日本技術士会 近畿本部
  兵庫県社会保険労務士会 兵庫県行政書士会

  (代表委員) 中尾英夫 塩崎賢明
  (事務局長) 津久井進 (事務局次長) 河瀬真 安田捷 大野秀朋
  (名誉代表委員) 元原利文 広原盛明 高見澤邦郎

2 行政とはどんな関係に立つのでしょうか

 ところで,まちづくりを行うには,国・自治体等の行政との連携も不可欠であり,支援機構は,行政とも協力しながら活動をしています。

 支援機構は,主に都市計画決定のなされていない地域(これを「白地地域」といいます)におけるまちづくりの支援を行うことにしていますが,いたずらに行政と対抗関係に立つのではなく,又行政の下請けになるのでもなく,対等な立場で行政と連携しながら,市民のまちづくりを支援するものです。




3 支援活動は無償でしょうか

 支援機構の活動は,ボランティア精神に支えられたものではありますが,健全な制度として永続するためには,無償であることは不可能と言わざるを得ません。そのため,活動は有償でなされます。

 しかし,被災した市民に大きな負担をかけることは望ましくありません。

 そこで,神戸市・兵庫県の外郭団体である,神戸のまちづくりセンターと兵庫のまちづくりセンターの協力を得て,支援機構の専門家を両センターの専門家として登録し,神戸市内の事業には神戸のまちづくりセンター,その他の兵庫県内のまちづくりは兵庫のまちづくりセンターから派遣されたものとして,両センターから報酬の支払いを受け,市民の負担を軽減するよう努力しています。この面でも,行政との連携がなされています。



4 どんな活動をしているのでしょうか

 (1) 具体的な活動は,専門家による巡回相談会活動,学習会への講師の派遣,被災地の復興事業の企画・実施等です。1回で終わるものから継続するものまで,期間も短期から3~4年かかるものまであります。

 (2) 復興事業の例としては次のようなものがあります。
    ①広域の地盤移動地区の境界再確定の支援
    ②マンションの再建・復興の支援
    ③倒壊市場の共同再建の支援
    ④土地の合筆・交換等を伴う共同建て替えの支援
    ⑤組合施行土地区画整理事業の支援

   ①は,住宅地域で境界が数10センチずれた例です。隣の土地同士で境界の位置に争いがある場合はよくある例ですが,境界が移動した位置に争いがない場合で,多数の境界を一挙に再確定することは先例がありません。土地家屋調査士が全体の計画・測量を,弁護士が協定書の作成を,税理士が税務全般をそれぞれ担当し,行政との協力も得て,実現しました。これは区画整理を応用した独自のノウハウで,市街地での地盤移動の先例となるものです。

   ②は,被災マンションの再建等に対する支援例です。被災マンションをめぐっては,法律そのものに内在する問題や,再建方針をめぐる合意形成の難しさが多数のマンションで噴出しました。建築士がマンションの被災程度を診断し,不動産鑑定士が法律適用上の鑑定作業を行い,弁護士らが再建組合等における合意形成の手順を説明し,土地家屋調査士・司法書士が再建後のマンションの登記事務等を支援しました。

   ③は,倒壊した市場において,店舗兼住宅の共同建物を再建した例です。商業に携わる支援者たちを,建築士が再建全体をコーディネートし,弁護士・司法書士らが複雑な権利関係を整理し,税理士が権利調整にともなう会計処理を行いました。

   ④は,小規模な建替え事例です。個人で行う建て替えではなく,共同で建て替え事業を行う際に,土地の合筆・交換を必要とするような場合,土地家屋調査士,建築士,弁護士,税理士などの支援が必要となりました。

   ⑤は,組合が施行者となった市街地での区画整理です。市街地では住民の合意形成が困難なため,組合が施行者になった区画整理は先例がありません。又,小規模密集住宅地なので,建築基準法の改正により建物の再築ができなくなったことから,住民が土地を提供し合って敷地を合筆し,マンションを建築しました。派遣された弁護士が法律全般を担当し,税理士が税務一般を担当しました。

 (3) 支援の手続は,市民の支援要請に応じて,相談や専門家の派遣を行います。相談件数は237件,うち相談のみは128件,取り下げ70件,受理39件,派遣された専門家は延べ245名でした。

 (4) 復興まちづくりは長期間かかるのが通常ですし,様々な困難が伴いますが,これは法制度上の問題に起因する面があることも否定できません。
 これに対する政策や制度の提言を行うため,平成8年12月14日に,関東・関西の公法,私法,住宅,都市計画の研究者15名と各専門家職能の実務家15名の計30名からなる支援機構付属研究会が組織されました。
 研究会では,約2年間にわたって研究活動を行い,その成果として,平成11年3月17日に『提言・大震災に学ぶ住宅とまちづくり』(東方出版)を公表・出版しました。



5 現在はどんな活動をしているのでしょうか

 (1) 支援機構は前記の活動を行ってきましたが,復興が進み,震災後3年経ったころから支援要請がなくなってきました。そこで,支援機構は活動が目的を達したものとして解散するか否かが問題となりました。
 しかし,このような専門家団体の連携による横断的な団体は全国に存在せず,市民のためにはその存在が非常に重要となります。また,支援機構は震災後1年8ヶ月後に設立されたのですが,震災直後から支援機構が存在していれば,被災地のためにもっと有効な活動ができたはずであると考えられます。
 特に,被災地では都市計画に関して市民と行政が対立しましたが,このとき支援機構が存在すれば別の展開があり得たと思われます。そこで,支援機構を今後も存続させるとともに,平常時から支援機構をつくるよう全国に呼びかけることにしました。

 (2) 支援機構は,平常時対応の活動として,神戸市住宅供給公社の神戸市すまいの安心支援センターと協力して,マンション問題等に専門家の相談・派遣の活動等をおこなっています。

 (3) また,支援機構を全国に広めることを目的として,平成12年2月10日,東京市ヶ谷において,「被災地まちづくり支援から学ぶ」というシンポジウムを開催しました。
 平成12年6月18日には,北海道有珠山でのフォーラムに参加するとともに同月19日に札幌の6職種の専門家団体をまわって支援機構設立を呼びかけ,更に「有珠山QアンドA」というラジオ番組を制作して有珠山のFM放送局で放送しました。
 平成13年4月30日には,芸予地震に関して呉市の視察と同地での地震に関するフォーラムに参加しました。
 平成15年1月18日には,静岡県の自治体・専門家団体と共に,静岡市において「阪神・淡路まちづくり支援から東海地震を考える~専門家職能と市民・行政の連携を~」を開催しました。
 平成15年8月には,宮城県連続地震に関して被災地,仙台市の専門家団体をまわって支援機構設立を呼びかけました。


6 おわりに

 被災地の経験や蓄積されたノウハウを他の地域に伝えるのは,被災地の義務であると考えられます(これを神戸大学の室崎益輝教授は「被災地責任」と呼びます)。支援機構は今後も,被災地責任をはたすために,全国に対し,被災地の市民のまちづくりを支援するため,専門家,行政,NPO及び研究者の連携による支援機構の設立を呼びかけて行きたいと考えています。なにとぞ,ご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。
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2020.05.03(Sun)15:15 | 1 支援機構について
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