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「まちづくりセンター・研究ネットワーク共催シンポジウム」8
http://www.kobe-toshi-seibi.or.jp/matisen/5tyousa/kenkyuu-netto/hokoku/sinpo-8.htm より

マンション復興戦略研究会議事録

阪神・淡路まちづくり支援機構の活動紹介-
  日時 平成16年3月25日(木)午後6時~8時
  場所 こうべまちづくり会館:2Fホール

  司会   大西 一嘉 (神戸大学工学部建設学科助教授)
  講演 1. 津久井 進(弁護士 阪神・淡路まちづくり支援機構事務局長)
  講演 2. 戎  正晴(弁護士 阪神・淡路まちづくり支援機構元事務局長)

配付資料 1. レジュメ「マンション復興支援における専門職能及び行政の連携」

冊子(1) 「被災地まちづくり支援から学ぶ シンポジウム記録集」阪神・淡路まちづくり支援機構 

冊子(2) 「阪神・淡路まちづくり支援から東海地震を考える シンポジウム記録集」阪神・淡路まちづくり支援機構




■開会挨拶
【大西 一嘉】 

 マンション復興戦略研究会の主旨
・被災マンションの復興過程を通じて災害時における復興への教訓を得ることを目的としている。
・今回は阪神・淡路まちづくり支援機構及び同機構の活動紹介と専門家連携について

■阪神・淡路まちづくり支援機構の紹介
【津久井 進】
 阪神・淡路まちづくり支援機構の構成


弁護士、司法書士、税理士、建築士、土地家屋調査士、不動産鑑定士の6種の専門職能者が横断的に連携してまちづくり支援をする組織である。

平成8年10月より機構として立ち上げた。今回の震災で各々の専門職能者だけでは解決できない事柄に対し、横断的に連携していかないと支援を行うことが困難であったからである。震災後1年9ヶ月近くまで横断的な連携を図れなかったことが一つの反省点である。


取り組み事例

組んだ事例として冊子(1)P180 1-(1)「広域的な地盤移動地区の境界再確定事業への支援」を紹介すると、従来の法的な手続き従前の位置関係に復旧することになるが、土地区画整理の手法を私的な協定により、境界の再確定を実現した例である。

現在の活動

災害前から支援機構の存在を知ってもらい、有事に備え専門職能者の横断的連携を図ってもらう活動をしている。
静岡では東海地震対策の協議会が発足し、宮城では宮城県弁護士会で連携活動の採決がなされた。
東京では東京主体でシンポジウムを開催することが決定している。

阪神・淡路まちづくり支援機構としては横断的連携を活かせるものとしてマンション事例に取り組んでおり、現在、すまいるネットと連携しマンション専門相談を実施している。

現在の組織

各々の専門職能団体から事務局委員、運営委員を出している。各団体の会長が運営委員に就任し、事務局委員は各団体の実務に携わる者で構成している。
上部に代表委員を置き、実務家代表委員と研究者代表委員からなっている。
初代実務家代表委員は北山六郎氏で、この2月より元原利文氏(弁護士 元最高裁判事)が就任する。初代研究者代表委員は広原盛明氏で、この2月より高見澤邦郎(東京都立大学教授 都市計画専攻)が就任する。
【戎 正晴】

補足事項

平成16年1月17日に宮城、静岡、東京、神戸の関係者でシンポジウムを開催し、湊川地区の案内をした。平成17年1月22日に東京でシンポジウムを予定している。
■マンション復興支援における経過及び専門職能・行政の連携について
【戎 正晴】


マンションが被災するということ

昭和58年の改正区分所有法以来、阪神淡路大震災の状況は初めての経験であった。
建て替え、復旧の規定は不備が多く、先例や凡例さえもなかったことが混迷を招いた理由の一つである。
建て替え、復旧の困難な理由は大きく4つある。

合意形成の困難さ
区分所有法は、唯一無二である所有権と異なり、専有・共有所有を巡る難しさがある。補修or立て替えを巡り、或いは補修の程度を巡り合意が形成されないと進まない現実がある。
都市計画との衝突
既存不適格の状態であったが故に、従前規模に再建できない現実があった。現行法規に照らし合わせると、1棟が無い状態で適法という例も見られた。私法的に再建が可能でも、公法的に再建が不可能なケースである。
事業の困難性
平成14年改正前の区分所有法では建て替え決議までの手続きは定めていたが、その後の手続きについては何ら定めがなかった。再建事業主体が不明な状態がもたらされることになった。
再開発事業は再開発組合が事業主体になるなど主体が明確となり、権利変換なども一時に実施できる行政処分手法があった。マンション再建の場合、個人個人の契約に基づいて手続きを進める必要があった。
経済的な問題
所謂ダブルローンや抵当権処理、高齢化により融資を受けることができないなど、経済的な理由で再建が困難なケースもあった。
マンションを巡る法制度

震災以前は区分所有法しかなかったが、現在マンション4法(建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)、被災区分建物の再建等に関する特別措置法(特措法)、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(適正化法)、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(円滑化法))といわれる法律が整備されている。

被災区分建物の再建等に関する特別措置法
全部滅失の区分所有建物への適用条項があるはじめての法律である。区分所有法には一部滅失の場合は適用できる(4/5決議で再建可能)が、全部滅失については所有建物が存在しないため土地の共有関係のみが存在することになり、民法の共有規定のみが適用できる状態であった(全員一致)。
また、一部滅失なら区分所有法の規定により分割請求ができないが、民法の共有規定では分割請求が可能であり、再建事業が不安定になる要因でもあった。
本法では、全部滅失の区分所有建物においても建て替え決議を4/5決議で行える他、分割請求に一定の制限を加えることにしたものである。
マンションの管理の適正化の推進に関する法律
平時からのマンション管理の重要さを示したものである。
マンションの建替えの円滑化等に関する法律
従前の再建事業フレームの不備を補ったものであり、建て替え決議の後、法人格を持つ再建組合の設立を認めたものである。
建物の区分所有等に関する法律
平成14年の改正によって改正された点では、復旧決議後の買い取り請求の期限を定め、買い取り請求人の任意指名による買い受け人指定の制度を改正した。
また、建て替え決議の際の条件であった費用の過分性条項がなくなった。費用の過分性条項のあいまいさ故に過分性を巡り4件の訴訟があった。
一方、建て替え決議の際には建て替えと補修の費用・計画など双方の情報を提供するよう手続きが強化されている。
さらに老朽化に伴うこれからの問題である団地建て替えについても規定を設けた。
専門家のできること

マンションの建て替えは法律家だけの支援でも建築士だけの支援でもうまく事業が進まない。税務は税理士、表示登記は土地家屋調査士、時価評価は不動産鑑定士といった専門家が関わる必要があり、その他、補助等では行政との連携が不可欠で総合的な支援体制が必要となる。震災から1年9ヶ月後に支援機構ができた。これらの専門職能者たちが連携するのは日本で初めてのことである。平時からこのような連携があればもっと早く対応できたのではと考えており、現在普及活動を行っている。
震災からの経過

平成7年2月8日に神戸市住宅局から被災マンションの支援依頼の電話があり、弁護士と建築士で相談会を始めることにした。日本マンション学会で相談員を確保するとともに行政サイドでは場所と電話を確保した。かくして産業振興センターで2日間相談会を実施した。
これを継続的に実施すべく、COMの高田氏、弁護士らで被災マンション復興支援グループを立ち上げ、同年2月14日~3月14日の間サンボーホールで相談会を実施した。さらに次のステップとして派遣支援に取り組むことにした。
他の兵庫県下ではマンション学会で京都・大阪の弁護士を確保し宝塚市役所で相談ブースをつくった。
このような状況下では問題点を迅速に整理し、つぎのステップへ繋げることが重要であり、そのためには総合相談窓口を設ける必要がある。
このような支援はある程度まではボランティアでできるが自ずと限界がある。一定限度の補助等の仕組みがなければ継続できない。阪神・淡路大震災時は復興基金があったので対応できたが、やはり行政との連携は欠かせないものである。
現在はかなり建設(再建)が完了しているが、再建を巡る合意が形成されないと10年経っても100年経っても解決しない。

平時の対応

法環境の変化
適正化法、円滑化法は画期的な法律である。私人のものである住宅の管理が公の関心事であると位置づけ、公共が関わる根拠を作ったものであり、関わることが公共の責務となった。これにより平時より公共が様々な支援策を講じることが可能となった。
耐震化について
建築物の耐震改修の促進に関する法律は公共性のある施設に義務づけられており、マンションはその対象外である。しかし、適正化法がある現在においては一定規模以上のマンションに対して義務づけしても良いのではないかと考えている。
また、住宅の品質確保の促進等に関する法律において既存住宅にも評価制度が適用できるのだから評価することも可能であろう。但し、マンション1棟の評価を受けるには費用がかかるので行政の支援などができないものだろうかと思う。
規約等の整備
規約の整備が不十分なマンションは数多く、役に立たない規約がある。日々のマンション相談の場においても不備についての指導をし、必要な派遣を行っている。
老朽化について
これからの老朽化については団地対策を考える必要がある。例として名舞団地などは真剣に再建を考えないといけない団地である。昔の団地故に区分所有法の考えに適応しておらず、また自ら管理組合を作った経験もないため団地として管理機能がないのが現状と云えよう。また、勝手に増築していたりしてややこしい状態にある。
このようなケースにおいてどの様に支援するかとなれば、かなり専門的かつ継続的な関与が必要である。とにかくスムーズな合意形成を促進することが肝心と云えよう。県でも建て替えアドバイザーの制度がり、今後益々取り組みを深めて行く必要がある。



質疑応答
【戎】 マンション管理士の立場としてはどのような形で支援していくのか

【上田】 マンション再建は広い分野に関係するので自身としては県の住まいのサポートセンターに登録しており、名舞団地に派遣アドバイザーとして管理組合設立の手助けをしている。
役割としては合意形成の部分で問題を整理する相談窓口としての役目だと考えている。

【戎】 身近なところで整理し、次のステップにつながることが重要だと思う。

【大西】 建て替え方針が決まっていればまだいいが、答えが見えない段階でどう支援するのか。
住民に自分で答えを考えさせる過程が最も重要なのに、安直に答えだけを欲しがってしまう。そこで専門家が安易に答えを出すと取り組みの入口でおかしなことになってしまう。専門家の連携もよいが、様々な職能を持つ専門家群からクライアントのニーズに合う専門家を選んでうまく繋いでいく中間的な支援も重要ではないか。そこでの専門家のありかたとはどのようなものか

【戎】 他地域に目をむければ、専門職能の間では電話もできない位、仲が悪いのが現実で交流どころではない。ホットラインでもいいから連携の手だてを講じていくことを啓蒙している。
「被災者の自立支援」というキーワードが出たが、極めて重要な論点である。マンションに支援するのではなく、所有者・管理組合が自分達で意志決定できるよう、合意形成を支援するべきである。YES、NOの二者択一の質問をしてはいけない。
ただ、被災者、専門家の双方に問題がある。専門家は答えを決めつけがちであり、被災者は主体性がなくその答えに安易に乗っかる。主体性のない意志決定は後になって大きな問題を生じさせる。行政の支援は意志決定の支援でないといけない。そして啓蒙をすることが大事である。
誰かが強引に引っ張らないと進まないところが多々あったが、答えを決めつけていたところは反省する部分でもある。結局は住民の自立性に左右される。

【大西】 そこが非常時の震災復興と、平時の老朽建替えが違う大きなポイントともいえる。震災復興は時間との勝負という側面も強い。10年も20年もかけて自立を待っていたのでは間に合わないこともあるから、早く復興するほど有利な誘導策も求められる。悩ましいところだ。

【戎】 普通なら10年かけてもおかしくない事案も多かったが、数年という短期間で復興できた。
だからといって次々と支援施策の期限を切られた上に、再延長が重なるなど政策が定まらないと、住民が浮き足立ってまともな合意形成など望めなくなってしまう。

【大西】 建て替えには多くの補助等支援があったが、補修のさいには全く支援がない。国も建替え支援をマンション復興政策として初期の段階で打ち出した。多くの課題が指摘されていた公費解体制度なのに、瓦礫撤去費用補助が被災者支援のメニューに含まれてしまい何の反省もない。使途を限定しないブロック・グラントのような被災者住宅支援制度があれば補修補助にも有効だが、憲法を含めてどこに個人に出してはいけないと書いてあるのか? この点についてはどのように考えればよいのか。

【戎】 確かに米国のようにポンと渡す方が使いやすいともいえるが、優建等の補助制度は新しく良い環境を作ることに対しての補助であり公共性に対しての資金提供である。一方、補修は現状復旧であり、直接的に私人の利得となるのでなじまないと云える。つまり公共の金を公共に使うなら問題ないが公共の金を私人の利得に使うことはできないとのことであろう。然るべき大義名分があればOKとなるであろう。



■マンション復興戦略研究会の状況とまとめ
【大 西】


研究会は文部科学省の研究プロジェクトの一環として行われている。大きくは「事前の備えの研究」、「事後の対応の研究」「最中の災害情報の研究」に分かれ、災害の各々の段階で被害軽減のための政策提言を行い発信することがミッションである。当研究会は「復興・復旧」といったテーマの下、「事後の対応」の研究班に属している。「事前の備え」の研究グループは、財政的な観点から公共が被災者支援を充実し過ぎたり、全てをフォローするのではなく事前の自助努力こそが必要であり、事後に手厚い保護があると自助努力を阻害してしまうと訴えている。しかし、想定を超える事態が生じるからこそ災害であり、事前に備えていても一定の被害は避けられないのが災害である。そのためにこそ事後の対応を考えて行く必要があると考えている。研究会では、将来に向けた政策提言を積極的に行なう事が期待されているので、良いアイデアがあればどんどん寄せて欲しい。

以上
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2004.03.25(Thu)06:24 | 7 講演・ミニシンポ等
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